Trend Micro Security

Backdoor.Win32.FLAWEDGRACE.AC

2019年3月15日
 解析者: Arvin Roi Macaraeg   

 別名:

Backdoor:Win32/GraceWire.D!dha(MICROSOFT),

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 692,136 bytes
メモリ常駐 はい
発見日 2019年2月20日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %All Users Profile%\{System Volume Hash}.dat -> run with admin privileges
  • %All Users Profile%\{System Volume Hash}.bin -> run with admin privileges
  • %ProgramData%\{System Volume Hash}.bin -> run without admin privileges
  • %ProgramData%\{System Volume Hash}.dat -> run without admin privileges

(註:%All Users Profile%フォルダは、ユーザの共通プロファイルフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users” です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\ProgramData” です。. %ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\ProgramData" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • cmd /C net localgroup

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
SoftwareSASGeneration = "1"

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Downloads File (target_download)
  • Load and Unload Modules (target_module_load, target_module_load_external, target_module_unload)
  • Get Passwords (target_passwords)
  • RDP Session (target_rdp)
  • Reboot system (target_reboot)
  • Delete Files (target_remove)
  • Run Scripts (target_script)
  • List of Servers (target_servers)
  • Update Version (target_update)
  • Upload File (target_upload)
  • Gather system information (desktop_stat)
  • Force shutdown (destroy_os)

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.16.228:443

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Computer Name
  • User's Credentials (password)
  • OS Version
  • Architecture
  • Domain Name
  • Username
  • Admin priveleges (User Account Control)
  • Boot
  • Locale
  • Antivirus Product Name obtained via WMI query
  • Malware installed time
  • Malware version
  • Local IP

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。
    • -i (プロセスID)
    • -sn (サービス名)
    • -p (パイプ)
    • -m (モジュール)
  • マルウェアは、以下のプロセスを利用し、IPアドレスを検索します。
    • cmd /C ipconfig | findstr /R /%System Root%"IPv4 Address"

(注: %System Root%フォルダは、標準設定では、 いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:"です)

<補足>
インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %All Users Profile%\{システムボリュームのハッシュ}.dat → 管理者権限がある場合に実行します
  • %All Users Profile%\{システムボリュームのハッシュ}.bin → 管理者権限がある場合に実行します
  • %ProgramData%\{システムボリュームのハッシュ}.bin → 管理者権限がない場合に実行します
  • %ProgramData%\{システムボリュームのハッシュ}.dat → 管理者権限がない場合に実行します

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • ファイルのダウンロード (target_download)
  • モジュールのロードおよびアンロード (target_module_load, target_module_load_external, target_module_unload)
  • パスワードの取得 (target_passwords)
  • RDP セッション (target_rdp)
  • コンピュータの再起動 (target_reboot)
  • ファイルの削除 (target_remove)
  • スクリプトの実行 (target_script)
  • サーバの一覧表示 (target_servers)
  • バージョンの更新 (target_update)
  • ファイルのアップロード (target_upload)
  • コンピュータ情報の収集 (desktop_stat)
  • 強制終了 (destroy_os)

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • コンピュータ名
  • ユーザ認証情報 (パスワード)
  • OSのバージョン
  • アーキテクチャ
  • ドメイン名
  • ユーザ名
  • 管理者権限 (ユーザアカウント制御)
  • ブート
  • ロケール
  • WMIクエリで取得したセキュリティ対策製品名
  • マルウェアのインストール時間
  • マルウェアのバージョン
  • ローカルIP


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.868.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年3月13日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.869.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年3月14日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • SoftwareSASGeneration = "1"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %All Users Profile%\{System Volume Hash}.dat
  • %All Users Profile%\{System Volume Hash}.bin
  • %ProgramData%\{System Volume Hash}.bin
  • %ProgramData%\{System Volume Hash}.dat

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Backdoor.Win32.FLAWEDGRACE.AC」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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