Trend Micro Security

Backdoor.Win32.DARKOMET.NLJ

2024年4月15日
 解析者: Neljorn Nathaniel Aguas   

 別名:

Win32:RATX-gen [Trj] (AVAST)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

マルウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。


  詳細

ファイルサイズ 872,448 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2024年4月11日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %User Temp%\dclogs

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • "%User Startup%\.exe"

(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows 2003(32-bit)、XP、2000(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8、 8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • DC_MUTEX-ZSSE2WW

自動実行方法

マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\.exe → dropped copy of itself

(註:%User Startup%フォルダは、現在ログオンしているユーザのスタートアップフォルダです。Windows 98およびMEの場合、通常 "C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows NTの場合、通常 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows 2003(32-bit)、XP、2000(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。Windows Vista、7、8、 8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。)

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Change MSN Messenger status & modify contact list
  • DDOS Flooding
  • Download and execute files
  • Download updated copy of itself
  • Empty Recycle Bin
  • Get torrent files
  • List active windows
  • List disk drives
  • List webcams and monitor/capture video
  • Log keystrokes
  • Modify system's host file
  • Monitor activity by Remote Desktop Protocol
  • Open and close CD-ROM drive door
  • Record and play sounds
  • Refresh or delete logs
  • Refresh Wifi
  • Remote shell command
  • Shutdown, Restart, Log off or Lock computer
  • Start and control chat sessions
  • Steal passwords
  • Uninstall programs
  • Upload files
  • Visit arbitrary C&C servers
  • It manipulates the following:
    • Browser
    • Clipboard
    • Desktop
    • Dialog Box
    • Files
    • Folders
    • Mouse clicks
    • Processes
    • Registries
    • Services
    • Shutdown button options
    • Start button
    • System clock
    • System tray
    • Taskbar
  • It disables the following:
    • Antivirus notification
    • Control Panel
    • Firewall
    • LUA notification
    • Registry Tools
    • Services
    • Task Manager
    • Update notification

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • tcp://{BLOCKED}oss.ddns.net:508

ルートキット機能

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。このファイルは、収集した情報を保存するために利用されます。

  • %User Temp%\dclogs\{Date}-{Number}.dc

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Admin rights
  • Computer name
  • Country
  • Language
  • Memory usage
  • OS information
  • Username
  • Webcam information

マルウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\DC3_FEXEC

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

<補足>
自動実行方法

マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<User Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\.exe → 作成された自身のコピー

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • MSNメッセンジャのステータスの変更および連絡先リストの編集
  • フラッディング攻撃(分散型サービス拒否⦅Distributed Denial of Service⦆攻撃)
  • ファイルのダウンロードおよび実行
  • 更新された自身のコピーのダウンロード
  • ごみ箱を空にする
  • トレントファイルの入手
  • アクティブなウィンドウの一覧表示
  • ディスクドライブの一覧表示
  • Web カメラの一覧表示およびビデオの監視/キャプチャ
  • キー入力操作情報のログ記録
  • システムのホストファイルの変更
  • リモート・デスクトップ・プロトコルによるアクティビティの監視
  • CD-ROMドライブのドアの開閉
  • サウンドの録音および再生
  • ログの更新または削除
  • Wi-Fiのリフレッシュ
  • リモートシェルコマンド
  • コンピュータのシャットダウン、再起動、ログオフ、またはロック
  • チャットセッションの開始および制御
  • パスワードの窃取
  • プログラムのアンインストール
  • ファイルのアップロード
  • 任意のC&Cサーバへのアクセス
  • 以下のものを操作します。
    • ブラウザ
    • クリップボード
    • デスクトップ
    • ダイアログボックス
    • ファイル
    • フォルダ
    • マウスのクリック
    • プロセス
    • レジストリ
    • サービス
    • シャットダウンボタンのオプション
    • スタートボタン
    • システムクロック
    • システムトレイ
    • タスクバー
  • 以下を無効にします。
    • ウイルス対策製品による通知
    • コントロールパネル
    • ファイアウォール
    • LUA通知
    • レジストリツール
    • サービス
    • タスクマネージャ
    • 更新通知

作成活動

マルウェアは、以下のファイルを作成します。このファイルは、収集した情報を保存するために利用されます。

  • %User Temp%\dclogs\{日付}-{数字}.dc

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • 管理者権限
  • コンピュータ名
  • 言語
  • メモリ使用量
  • オペレーティングシステム(OS)に関する情報
  • ユーザ名
  • Webカメラに関する情報


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 19.274.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2024年4月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 19.275.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2024年4月13日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • TROJ.Win32.TRX.XXPE50FFF079

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\
    • DC3_FEXEC

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Startup%\.exe
  • %User Temp%\dclogs\{Date}-{Number}.dc

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\dclogs

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Backdoor.Win32.DARKOMET.NLJ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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