公開日
2022年9月26日

- 製品SEが分かりやすく解説#2 -
Apex One SaaS 移行前の確認ポイント 4選!

こんにちは!エンドポイントセキュリティ製品 ソリューションアーキテクトの坂です。
前回、「- 製品SEが分かりやすく解説#1 - Apex One SaaS 移行方法」をご紹介しました。
そこで今回は、Trend Micro Apex One™(以降、Apex One )オンプレミスから、
Trend Micro Apex One™ SaaS(以降、Apex One SaaS ) へ移行する前に確認しておきたい注意点をお伝えしたいと思います。

※本記事では、本文を分かりやすく記載する為に該当単語を適宜下記のようにさせて頂いております。ご了承下さい。
 Apex One:オンプレ版
 Apex One SaaS:SaaS版

1.移行前:オンプレ版管理コンソール側のプロキシ設定

最初に、移行前に確認しておきたいポイントの1つ目です!
弊社エンドポイントセキュリティ製品、Apex One SaaS は、クラウド上にある管理サーバを使ってサービスを提供しています。
もし、お客さまがプロキシを経由してインターネットに接続する環境の場合は、エージェントの移行前にオンプレ版管理コンソールで設定しておく項目がありますので、ご確認下さい!

オンプレ版管理コンソールの「エージェントの移動」指示にて、エージェントをオンプレ版からSaaS版へ移行する際、オンプレ版管理コンソールにて、事前にエージェントとオンプレ版管理サーバ間の通信においても「Windowsのプロキシ設定を使用する」という設定をしておく必要があります。

▼オンプレミス版管理コンソール側:プロキシ設定

★ポイント:PACファイルにて通信を制御されている場合も、「Windowsのプロキシ設定を使用する」を選択してくださいね。

★ポイント:初期設定では、上記プロキシ利用設定は「プロキシなし」となっています。
しかし、この状態ではプロキシ経由でインターネット上にあるSaaS版管理サーバへエージェントが移動が出来ないため、上記設定を行う必要があります。

2.移行前:既存環境バージョンの確認

続いて、移行前に確認しておきたいポイントの2つ目です!
オンプレ版 サーバとエージェントプログラムのバージョンおよびビルドが一致していない場合、エージェントの移行に失敗することがあります。
そのため、事前にこれらが一致しているか確認いただき、もし差がある場合はエージェント側のバージョンおよびビルドを管理サーバと合わせてから移行を行ってください。

★ポイント:確認方法

1.管理コンソールの[ヘルプ] - [バージョン情報]を開きます。
2.バージョン情報のポップアップにて利用しているオンプレ版管理サーバのバージョンおよびビルド番号を確認します。
3.[エージェント] – [エージェントの管理]で移行するクライアントを選択し、[エージェントのプログラム]の列からサーバとのビルドが一致している事を確認します。

3.移行前:コンポーネント配信制御の設定

移行前に確認しておきたいポイントの3つ目!
各ドメイングループ、もしくはエージェント個別の設定において、下記のどちらかに設定している場合、「すべてのコンポーネント  (HotFixとエージェントのプログラムを含む)」へ事前に変更をお願いします。

■権限とその他の設定
 ▼その他の設定
  ▼セキュリティエージェントがアップデートするコンポーネント
   -パターンファイル
   -パターンファイル、エンジン、ドライバ

   →変更後:すべてのコンポーネント (HotFixとエージェントのプログラムを含む)

オンプレ版エージェントがSaaS版へ移行する際、エージェント自身でSaaS版セキュリティエージェントプログラムへアップデートを行います。
その際、「すべてのコンポーネント  (HotFixとエージェントのプログラムを含む)」を設定していないと、プログラムアップデートが出来なくなってしまいます。
お手数お掛けしますが、こちらも要注意ポイントとして、事前に設定の確認をお願いします!

※なお、アップデートエージェントの機能を利用した移行は行えないためご注意ください。

4.移行時のアップデートトラフィック

最後に、移行前に確認しておきたいポイントの4つ目です。
オンプレ版エージェントがSaaS版へ移行する際、
エージェント自身でSaaS版セキュリティエージェントプログラムへアップデートを行いますが、
プログラムアップデートに200~300MB/台程度のトラフィックが発生します。
そのため、移行時はネットワーク帯域をネットワーク帯域を考慮し、オンプレミス版から操作する「エージェントの移動」を少しずつ行っていただき、段階的にエージェントの移行作業を進めて下さい。

◆オンプレミスのウイルスバスター Corp. XG Service Pack 1 サーバを Apex One as a service 環境へ移行する手順
https://success.trendmicro.com/jp/solution/000238723

SaaS版へ移行した後に複数のお客さまへ移行後のヒアリングを行ったことがあります。
”1日あたり、20~30台目安としてオンプレ版からSaaS版へエージェントを移行し、ネットワーク帯域に問題のないことを確認のうえ、約2~3か月で移行を完了した”
といったお話をいくつかお伺いしたことがあります。ご参考になれば幸いです。

また、本社の他に複数の拠点がある、ネットワーク環境が本社とは異なる拠点がある、といった場合は、まず各環境からエージェントを数台ずつテスト移行にて正常に移行出来る事を確認した後、本番移行を進めいて頂けますとスムーズに本番移行を進められるかと思います。

★ポイント:テスト移行は、30日間ご利用頂ける Apex One SaaS 無料体験版 でお試し頂けます。

5.資料や動画のご案内

いかがでしたでしょうか?
オンプレ版からSaaS版へ移行するにあたり、事前に注意&確認しておきたいポイント4選をお送りしました!

これら4選については、私達SAが普段お客さまへピックアップしてご案内するポイントです。

また、「移行前のチェック事項集」という特別付録が、下記「Trend Micro Apex One™ SaaS 導入・移行ガイド」の最後に添付されていますので、是非こちらも合わせてご確認下さい。

◆Trend Micro Apex One™ SaaS 導入・移行ガイド

最後まで読んで頂きありがとうございました!
次回も弊社エンジニアによる、ここでしか聞けない技術情報をゆるーく書いていきますので、ぜひご覧ください!

トレンドマイクロ株式会社

セキュリティエキスパート本部 セールスエンジニアリング部
エンドポイントセキュリティチーム ソリューションアーキテクト

坂 香陽子

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